紅茶の種類

ダージリン(インド)

ダージリンは「紅茶のシャンパン」ともいわれ、水色(すいしょく)は薄いながら格別な香味をもっており、世界三大紅茶の一つとされています。
生産地は東ヒマラヤ山麓にあり、2000mの高地から斜面に植えられており、昼夜の寒暖差で発生する霧が独特の味と香りを作り出します。
製造方法は手摘みによる伝統的なオーソドックス製法です。
ダージリンの生産期は3〜11月で、採取される季節によって紅茶の特徴が大きく変わります。

クォリティーシーズンは春、夏、秋と年に3回あり、それぞれ、ファーストフラッシュ(春)、セカンドフラッシュ(夏)、オータムナル(秋)と呼ばれます。

「ファーストフラッシュ(春摘み)」は、緑茶のような青々とした若葉のような香りとキリッとさわやかな渋み、淡いオレンジの色合いが特徴の紅茶です。ストレートティーで飲むのがおすすめです。紅茶は一般に茶葉を完全に酸化発酵させていますが、ダージリンのファーストフラッシュは軽発酵で緑茶に近いものも結構あります。
最近は世界中でも緑茶がブームとなっていて、ブレンドではない茶園のファーストフラッシュを買うと、緑の茶葉が結構あります。味もより緑茶に近いです。
若々しいさわやかな香りが特徴であるため、それを「青臭い」、「薄い」と感じる側面もあり、好みがわかれるところです。

「セカンドフラッシュ(夏摘み)」は、霧を通した夏の日差しをたっぷり浴びて育った官能的な香気(マスカテルフレーバー)が特徴で、紅茶のボルドーとも評され、濃いオレンジ色の水色が特徴です。クオリティシーズンとされており、味、コク、香りとも一年中で最も充実して最高級品とされています。セカンドフラッシュではマスカテルフレーバーと呼ばれる特徴的な香りが強いものが上質とされています。

「オータムナル(秋摘み)」は、冷涼で乾いた秋の気候によって、甘み成分が茶葉に凝縮され、香りは少し落ちますが、一年で一番甘く渋みも加わるためミルクティーにもあう特徴を持ちます。水色はやや赤みがかった濃いめの色となります。

世界最大の紅茶生産量を誇るインドで、ダージリン紅茶の生産量は全体のわずか約1~2パーセントしか作られていない希少品。特に人気のある茶園のファーストフラッシュ、セカンドフラッシュなどの最上級品は、生産からわずか数日間あまりで売り切れてしまいます。

紅茶の中でも特に香りを重視され、その香りを楽しむためストレートティーで飲まれることが多い。
この強い香りは、寒暖差の激しい標高の高い山地で生産されているためです。