紅茶の種類

ニルギリ(インド)

ニルギリはダージリンやアッサムの次に有名な産地として知られ、これらがインドでの紅茶の三大産地とされています。
現地でニルギリという言葉は「青い山」を意味することから、「紅茶のブルーマウンテン」とも呼ばれています。
場所は南インドにあり、インド洋に近い西ガーツ山脈南部のニルギリ丘陵で、インド北東部にあるダージリンやアッサムよりはスリランカに気候が近く、優雅で繊細な香りといったセイロンティーに近い紅茶です。
気候的にはスリランカと同じく季節風の影響を受けます。
生産量の90%以上がCTC製法で、オーソドックスは10%未満となっています。

インドの紅茶は、癖のある茶葉が多いのですが、ニルギリは比較的癖がなく、すっきりとしたオーソドックスな紅茶です。
水色(すいしょく)は、濃く明るいだいだい色。

爽やかな味わいとほのかな甘い香りの余韻が特徴で、和洋を問わずお食事やお茶請けにも合わせやすく、誰もがおいしいと思える風味で親しまれています。
クオリティシーズンは年1回で1~2月、山の適度な冷気と熱帯の太陽の中、風味がギュッと凝縮され南国らしいフルーティーな香りとまろやかな飲み口の高品質な紅茶になります。
近年、この旬の紅茶の中から、トップクラスのダージリン春摘み紅茶の味わいに匹敵するスペシャルティーが世界の紅茶ファンや専門家の人気を集めています。
スペシャリティーでは標高の高い茶園で、霜が降りる時期にえり抜きの新芽を手摘みすることにより生産されています。

全般的に、柑橘系のさわやかな香りとさっぱりとした味わいを持つ万能タイプであるため、ストレートティーやミルクティーなどはもとより、レモンやいちごなど様々なフルーツともニルギリ紅茶は相性がよく、日本で最も一般的なニルギリの使用方法はフレーバーティーの茶葉です。
また、丘陵地帯でつくられるニルギリは一年を通して収穫が可能なため、アッサムに次いでインドでは2番目に生産量が多い紅茶です。
生産量が最も多くなるのが4〜5月、9〜12月で、この期間で全体の約60%が生産されます。

ニルギリの茶園は標高によりローグロウン(〜900m)、ミディアムグロウン(900m〜1600m)、ハイグロウン(1600m〜)と分かれており、特にハイグロウンの旬の紅茶は
南国の果実や柑橘のような香り、紅茶らしい風味の「香りの紅茶」として有名です。