紅茶の種類

ウバ(スリランカ)

ダージリン、キームンと並び、ウバは世界三大紅茶のひとつに数えられます。
ウバの産地はスリランカ南東部にある高地で、日中と夜間の寒暖の差のため霧が発生しやすく、これによりバラやスズランの花に例えられる甘い刺激的な「ウバ・フレーバー」がつくり出されます。
バラの花にたとえられるほのかな香りの上に、サリチル酸メチルのような爽やかな芳香を伴うものが上質種とされますが、スモーキーな香りをもつものもあり、茶園と収穫時期さらには年度やロットによってもかなりの違いがある茶葉です。

スリランカの紅茶は細かくきざんだ(ブロークン)ものが多く、ウバも同様であり、濃い味わいを引き立てています。
セイロンティーの中で最も標高の高い地域で栽培されるハイグロウンティーに区分され、スリランカの代表的な紅茶として有名です。
高級紅茶ですので、紅茶本来の味や香りを楽しむためにストレートティーがおすすめですが、ミルクティーにするとウバのメントールのような独特の香りで、個性的なミルクティーとなります。
また、水出しもできてアイスティーにすると、ホット以上にメントール感が強くなるので、暑い夏におすすめです。

水色(すいしょく)は濃い深紅色。
カップに注ぐと水面のふちが金色の輪のように映ることがあり、「ゴールデンリング」と呼ばれ、ウバの楽しみの一つとなっています。

ウバの生産は一年中行われています。
クオリティーシーズンは7~9月。
この地方の夏には必ず乾季があり、水分が少ない土壌からお茶の木が水を引き上げるため、ミネラルごと引き上げてきます。そのミネラルにより、ウバ独特のメントールの香りがつくられます。
ウバは乾季(夏)に摘まれるものが、「ミントのような爽快なハーブの香り」と「果物のような甘酸っぱいフルーティーな香り」がして最上品とされています。
香りの広がりは、ダージリンセカンドフラッシと同様に素晴らしく、あっさりした紅茶では負けてしまうような濃い目のケーキ、チョコレートに合わせても紅茶の存在感があります。